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アドリアン・ラビオさんのプレースタイルについて気になっている方は多いのではないでしょうか。
フランス代表のMFとして長年活躍してきたラビオさんは、188cmの長身から繰り出すボールキャリーと、攻守両面にわたる貢献力で「万能型MF」として高い評価を受けてきました。
愛称は「ル・デュク(公爵)」。
PSG、ユベントスを経て現在はACミランでプレーするラビオさんのプレースタイルには、独特の魅力と課題の両面があります。
母親が代理人を務めるという珍しいキャリアの持ち主でもあり、素行面での問題も度々話題になってきた選手です。
この記事では、ラビオさんのプレースタイルと実像をさまざまな角度から徹底解説していきますよ。
記事のポイント
①:ラビオの最大の強みはボールキャリー能力
②:愛称は「ル・デュク(公爵)」の由来とは
③:母親が代理人で素行問題が多い選手
④:現在はACミランでアッレグリ監督の下活躍
アドリアン・ラビオのプレースタイルの特徴と武器
- ボールキャリー能力|ラビオのプレースタイルの核心
- フィジカルとテクニック|「ル・デュク」の万能性
- ボックストゥボックス|柔軟なポジショニングの妙
- 守備貢献|読みとカバーリングの特徴
- ファイナルサードの仕事量|課題とポテンシャル
- 年度別成績一覧|PSGからACミランまでの実績
ボールキャリー能力|ラビオのプレースタイルの核心
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アドリアン・ラビオさんのプレースタイルを語る上で、真っ先に挙げるべき特徴はボールキャリー能力です。
ここでは、ラビオさんのプレースタイルの核心とも言える推進力について整理してみましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | アドリアン・ラビオ(Adrien Rabiot) |
| 生年月日 | 1995年4月3日 |
| 2026年04月20日現在の年齢 | 31歳 |
| 身長・体重 | 188cm・71kg |
| 国籍 | フランス |
| ポジション | セントラルMF(ボックストゥボックス) |
| 所属クラブ | ACミラン(2025年9月〜) |
| 愛称 | ル・デュク(公爵) |
| 代理人 | 母親・ベロニク・ラビオ |
ボールキャリーとは何か
ボールキャリーとは、ドリブルでボールを持ち運ぶプレーのことです。
ラビオさんの場合、中盤の低い位置でボールを受けた後、長いストライドと懐の深いボールタッチを活かして、スルスルと相手陣内へ持ち運ぶ能力が際立っています。
短い距離を素早く切り返すタイプではなく、大きな体格をフルに活かして相手のプレッシャーを受け流しながら前進する、独特のドリブルスタイルです。
元ユベントス監督のアンドレア・ピルロさんが「フィジカルとテクニックを高いレベルで兼ね備えた稀有な選手」と評したのも、まさにこのボールキャリーの質の高さを指してのことでしょう。
フィジカルと技術が融合した推進力
ラビオさんのボールキャリーが際立つ理由は、188cmという長身と体幹の強さにあります。
相手選手が体を当ててきてもバランスを崩さず、むしろ身体を使ってボールをキープしながらスペースを見つけ出す力があります。
これに加えて、左足からの柔らかいタッチと正確なパスを組み合わせることで、単なるフィジカル頼みのドリブルではなく、技術に裏付けられた推進力として機能しているのが特徴です。
「このフィジカルとテクニックのバランスこそが、若くしてPSGで評価され、現在に至るまでビッグクラブでプレーしてきた所以である」とも分析されています。
試合のテンポを変えるドリブル
ラビオさんのボールキャリーの真価は、試合のテンポを変える局面で発揮されます。
相手チームがハイプレスをかけてくる状況や、チームが守から攻に切り替わるトランジションの瞬間、ラビオさんはボールを受けると一気に持ち運んで相手のプレスラインを無効化します。
これにより、チームメイトに前向きでプレーする時間を生み出す効果があり、特に密集した中盤でのプレー整理には大きな貢献を果たしています。
ただし、エリート選手として求められる継続性という観点では、試合によってこの推進力の発揮度にムラがあり、「存在感が希薄になる」と指摘されることも正直なところです。
ボールキャリーと強みの自己分析
ラビオさん自身もプレースタイルについて、DAZNのインタビューで興味深いコメントを残しています。
「昔はもっと前線でプレーする選手だったんだ。背番号だって10番を付けていたぐらいだからね」「いまはボックストゥボックスの動きが本当に好きなんだ。当時は全然好きじゃなかったけれど」と振り返っています。
さらに「僕のことをオフェンシブなプレーヤーだと考えている人もいるようだけど、それは『ラビオ』というジョカトーレを正しく認識出来ていないね」「僕はフィジカルが強くて、テクニックがある。これが正しい答えだと思う」と語っています。
このコメントからも、ラビオさん自身がフィジカルとテクニックの融合こそが自分の本質であると認識していることが分かりますよね。
フィジカルとテクニック|「ル・デュク」の万能性
ラビオさんが「ル・デュク(公爵)」という気品ある愛称で呼ばれる背景には、そのプレースタイルの優雅さと万能性があります。
愛称「ル・デュク(公爵)」の由来
フランス国内でラビオさんが「Le Duc(ル・デュク=公爵)」と呼ばれるようになった理由は、188cmのカーリーヘアという端正なルックス、そしてピッチ上で背筋を伸ばして優雅にプレーする姿から来ています。
公爵というのはヨーロッパの貴族制度における高位の称号です。
それがサッカー選手の愛称になるというのは、いかにラビオさんのプレーと存在感が「格調高い」と評されているかを示しています。
ド派手なプレーで注目を集めるわけでもなく、しかし確実にチームに貢献し続ける姿はまさに「貴族的」と言えるかもしれません。
191cmと188cm、異なる身長情報について
ラビオさんの身長については、191cmと188cmという異なる数字が複数の媒体で報告されています。
公式プロフィールでは188cm・71kgとされているケースが多く、191cmというのは視覚的な印象からの過大評価と見られます。
いずれにせよ、中盤の選手としては非常に恵まれた体格であることに変わりなく、空中戦や身体的な接触でも容易には負けない強さがあります。
万能型MFとしての技術基盤
フィジカルだけが強みではありません。
ラビオさんのテクニック面での特長として、左足からのキック精度の高さが挙げられます。
サイドバックとの連携による展開力、中距離パスの精度、ワンタッチでの素早い展開など、若い頃と比べてパスの選択や精度が明確に改善されてきたと評価されています。
ユベントス時代のロカテッリさんやACミランでのモドリッチさんとのコンビネーションが高く評価されたのも、このテクニックに裏打ちされたパス交換の質があったからこそです。
フィジカル・テクニック・判断力の3要素
ラビオさんを「万能型MF」たらしめる第3の要素が判断力です。
試合状況の読みの速さ、プレッシャー下でも慌てない判断、そして複数のポジションをこなせる戦術的柔軟性は、単純なフィジカルやテクニックだけでは実現できないものです。
PSGではヴェラッティさん、ユベントスではロカテッリさん、ACミランではモドリッチさんと、各クラブのキーマンとのコンビネーションをスムーズに確立できている事実が、この判断力の高さを証明しています。
フィジカル・テクニック・判断力の3要素が揃ってこそ、ラビオさんのプレースタイルの「万能性」は成立するのです。
ボックストゥボックス|柔軟なポジショニングの妙
ラビオさんのプレースタイルを語る上で欠かせないのが、ボックストゥボックスという動き方です。
これはサッカーにおいて、自陣ゴール前から相手ゴール前まで縦横無尽に走り回るプレースタイルを指します。
4-3-3から4-2-3-1まで複数フォーメーションに対応
ラビオさんは4-3-3や4-2-3-1をはじめ、さまざまなフォーメーションに対応できる柔軟性を持っています。
具体的には、アンカー、ダブルボランチの一角、インサイドハーフ、さらには左サイドMFという多様な役割を担ってきた実績があります。
この戦術的柔軟性こそが、PSGからユベントス、そしてACミランという各時代の強豪クラブで重宝されてきた最大の理由の一つです。
左サイドでのプレーとハーフスペース活用
左サイドでの起用時、ラビオさんはサイドで味方サイドバックのオーバーラップを巧みにサポートする動きを見せながら、頻繁に内側に絞ってハーフスペースでの受け手としてポジションを取ります。
ハーフスペースというのはサイドと中央の間のエリアで、近年の現代サッカーにおいて最も有効とされる攻撃スペースの一つです。
ここに顔を出してボールを受け、前を向いて仕掛けられるラビオさんの動きは、チームに構造的な優位をもたらすことが多いと分析されています。
ダブルボランチ起用時の役割
ダブルボランチの一角として起用される場面では、近距離でのパス交換によるプレッシャー回避が得意という特性が光ります。
味方がボールを保持している際には、相手の背後に走り込む動きでライン間のスペースを突く意識も見せており、単純なパスの中継役にとどまらない機動力を発揮します。
ラビオさん自身が「自分の正面に広大なスペースがある状況の方が好ましい」と語っていたことからも、縦方向の動きへの強い意識がうかがえます。
「6番か8番」という自己定義
前述のDAZNインタビューで「いまは6番か8番のようなタイプで、もはや10番ではないよ」と語ったラビオさん。
6番はアンカー・守備的MFのポジション番号、8番はボックストゥボックスのMF番号を指すことが多いです。
この言葉は、かつてのオフェンシブな10番タイプから、攻守両面に貢献するボックストゥボックス型へとプレースタイルを進化させたラビオさん自身の自己認識を端的に表しています。
この変化こそが、ビッグクラブの中盤で長く生き残れている理由の核心かもしれません。
守備貢献|読みとカバーリングの特徴
ラビオさんのプレースタイルの攻撃面ばかりが語られがちですが、守備面での貢献も非常に重要な要素です。
ここでは、中盤の守備者としてのラビオさんの特徴を整理してみます。
カウンター対応とカバーリング
ラビオさんの守備における最大の特徴は、広いストライドを活かしたポジショニングにあります。
特に相手のカウンターに対するトランジション局面では、素早いリカバリーと横方向の移動によって、サイドバックの背後のスペースをカバーし、センターバックが釣り出されるのを防ぐ役割を担うことが多いです。
これは単純なフィジカル能力だけでなく、試合を読む「戦術的インテリジェンス」の高さがあってこそ実現できる動きです。
プレッシャーのかけ方にある知性
相手ボールホルダーへのプレスにおいても、ラビオさんは独特のアプローチを持っています。
適切な角度と距離感でプレッシャーをかける意識があり、単にフィジカル任せに突っ込むのではなく、空間を狭めて相手のプレーを制限するインテリジェンスがあると分析されています。
闇雲に飛び込まず、相手の逃げ道を消しながら追い込む守備スタイルは、190cm近い選手としては非常に洗練されています。
守備の弱点:瞬発力と安定性
一方で、ラビオさんの守備には弱点も指摘されています。
守備時の爆発力や瞬発力に限界があり、短距離のスプリントでの寄せや一対一のスピード勝負では後れを取る場面があります。
また、守備における闘争心の波もあり、試合によっては存在感が希薄になることも事実です。
インターセプトのスキルは高く評価される一方、この「波」の問題は選手としての課題として残っています。
チームへの守備的貢献度の評価
総合的に見ると、ラビオさんの守備貢献は「知性型」と言えます。
爆発的なプレスバックやタックルで際立つタイプではなく、ポジショニングと読みを駆使して危険を未然に防ぐスタイルです。
この守備スタイルが最も機能するのは、チームが組織的に守れている状況下です。
ACミランでのアッレグリ監督のシステムのように、チーム全体の組織守備がしっかりしている環境でこそ、ラビオさんの知性型守備は最大限に活きると言えるでしょう。
ファイナルサードの仕事量|課題とポテンシャル
ラビオさんのプレースタイルにおいて、正直に言うと課題として語られることが多いのがファイナルサードでの仕事量です。
ここ、中盤の選手を評価する上で非常に重要なポイントですよね。
ビルドアップに強く、ラストパスに課題
ラビオさんはドリブルやパスによる前進(ビルドアップ局面)には長けていますが、ファイナルサードでの仕事量にはやや物足りなさがあると指摘されます。
特に、中央エリアにおける精密なスルーパスやラストパスの質には向上の余地があり、この点はこれまでのアシスト数の少なさからも裏付けられています。
フィニッシュへの直接的な貢献よりも、ビルドアップ段階での関与に比重が置かれているのがラビオさんのプレースタイルの特徴です。
左足クロスの質とシュート力
ただし、ファイナルサードでの貢献がゼロではありません。
左サイドからのクロスの質は高く評価されており、ターゲットとなる空中戦に強いストライカーとの相性が良いとされています。
また、中盤からの推進力ある飛び出しによって、自らゴール前に侵入してシュートを放つ場面も見られます。
2022-23シーズンのユベントス時代には32試合8ゴールという数字を残しており、この数字はMFとしてかなり優秀な部類に入ります。
成長と残された課題
ラビオさんのプレースタイルは確実に進化してきましたが、エリートレベルでの継続性と「決定的な違いを生み出す力」については、依然として評価が分かれています。
本人の潜在能力の高さは疑いようがないものの、そのすべてが常に発揮されているわけではないというのが多くの専門家に共通した見解です。
ACミランでの2025-26シーズン前半だけで21試合5ゴールという数字は、キャリア後半での成熟を感じさせるものがあります。
将来性と今後の期待値
現在31歳のラビオさんは、キャリアのピークゾーンを歩んでいます。
2028年6月までACミランとの契約が残っており、アッレグリ監督の下でさらに深化したプレースタイルを発揮できるかが注目です。
「さらなる成長と安定感を身につけることができれば、経験と万能性を兼ね備えた中盤の柱として、どのクラブにとっても大きな価値を持つ選手となるだろう」という評価の通り、ラビオさんの可能性はまだ底をついていないと言えるでしょう。
年度別成績一覧|PSGからACミランまでの実績
ラビオさんのキャリアを通じた年度別成績を見ることで、プレースタイルがどのように評価されてきたかがよく分かります。
下記の表は、PSGからACミランまでの主要シーズン成績をまとめたものです。
| シーズン | 所属クラブ | リーグ戦成績 |
|---|---|---|
| 2012-13 | PSG(フランス) | 6試合・0ゴール |
| 2012-13 | トゥールーズ(loan) | 13試合・1ゴール |
| 2013-14 | PSG | 25試合・2ゴール |
| 2014-15 | PSG | 21試合・4ゴール |
| 2015-16 | PSG | 24試合・1ゴール |
| 2016-17 | PSG | 27試合・3ゴール |
| 2017-18 | PSG | 33試合・1ゴール |
| 2018-19 | PSG | 14試合・2ゴール |
| 2019-20 | ユベントス(イタリア) | 28試合・1ゴール |
| 2020-21 | ユベントス | 34試合・4ゴール |
| 2021-22 | ユベントス | 32試合・0ゴール |
| 2022-23 | ユベントス | 32試合・8ゴール |
| 2023-24 | ユベントス | 31試合・5ゴール |
| 2024-25 | マルセイユ(フランス) | 公式戦31試合・10ゴール6アシスト |
| 2025-26 | マルセイユ | 1試合・0ゴール |
| 2025-26 | ACミラン(イタリア) | 21試合・5ゴール |
成績から読むプレースタイルの変化
2012年にPSGでプロデビューを果たしたラビオさんは、7シーズンにわたってフランスのメガクラブでプレーしました。
PSG時代の平均は20〜33試合程度の出場で1〜4ゴールと、決して得点で突出するタイプではありませんでした。
転機となったのは2022-23シーズンのユベントス時代で、32試合8ゴールというMFとして優秀な数字を残しています。
これはラビオさんのプレースタイルが年齢とともに攻撃的な貢献を増したことを示しています。
マルセイユ時代の爆発的な成績
2024-25シーズンのマルセイユ時代は、公式戦31試合で10ゴール6アシストという爆発的な数字を記録しました。
これはラビオさんのキャリアを通じて最も攻撃的貢献の高いシーズンとなっています。
デ・ゼルビ監督のポゼッションスタイルがラビオさんのボールキャリーとテクニックを最大限に引き出したと分析されています。
この活躍がACミランへの1000万ユーロ(約17億円)での移籍につながったと考えると、まさに「旬」のシーズンだったと言えます。
ACミランでの適応力と現在地
2025-26シーズンのACミランでは、前半21試合で5ゴールというペースで得点を重ねています。
ユベントス時代からの盟友、アッレグリ監督との再タッグが実現したことで、ラビオさんは「自分を最も活かす方法を熟知している監督のもとでプレーできている」という状況です。
過去のユベントス時代と現在のACミランでのプレーを比較した分析でも、システムへの適応速度と中盤でのカバー範囲の広さが評価されています。
アドリアン・ラビオのプレースタイル|キャリアと素顔
- PSGからユベントスへ|栄光と葛藤のキャリア
- アッレグリとの関係|ユベントスで覚醒した中盤の柱
- 2018年W杯拒否事件|プライドが招いた大問題
- 母親代理人の存在|素行問題の核心
- マルセイユの乱闘からACミランへ|移籍の経緯
- フランス代表での役割|2026年W杯の展望
PSGからユベントスへ|栄光と葛藤のキャリア
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ラビオさんのキャリアの軌跡は、「才能」と「トラブル」が常に隣り合わせだったと言えます。
プレースタイルの形成過程を理解するためにも、キャリアの流れを押さえておきましょう。
下部組織とPSGでのプロデビュー
ラビオさんはクレテイユの下部組織でキャリアをスタートさせ、その後複数のクラブを渡り歩きました。
マンチェスター・シティの下部組織在籍経験もあるとされており、幼少期から才能が注目されていたことが分かります。
2010年にパリ・サンジェルマン(PSG)の下部組織に入団し、2012年にトップチームでプロデビューを果たします。
同年にはトゥールーズへのレンタル移籍を経て実戦経験を積み、翌2013-14シーズンからはブラン監督の下でPSGのレギュラーとして台頭しました。
PSG時代:スター軍団の中の苦悩
PSGでのキャリアは、ネイマールさん、カバーニさん、ムバッペさんといったスター選手たちと競いながらレギュラーポジションを確保するものでした。
2012年から2019年までの7シーズンで、リーグ・アンのリーグタイトルを5回獲得するなど、チームとして圧倒的な成功を収めました。
しかし2018-19シーズン、ラビオさんは前代未聞の行動に出ます。
次のシーズンの契約延長交渉が難航する中、PSGから構想外を言い渡され、1シーズン大半を公式戦から外れた状態で過ごすことになったのです。
ユベントスへのフリー移籍と新たな挑戦
2019年夏、PSGとの契約が満了したラビオさんは、フリーでセリエAのユベントスへ移籍します。
「喧嘩別れ」とも表現された形でのPSG退団でしたが、ユベントスという名門クラブへの移籍は決して格下げではありませんでした。
ユベントスでのラビオさんのプレースタイルは徐々に進化し、最終的には中盤の柱としての地位を確立します。
5シーズン在籍したユベントスで通算157試合18ゴールという成績は、MFとして十分な実績と言えるでしょう。
フリー移籍のパターンが示す傾向
PSGからユベントスへ、ユベントスからマルセイユへと、ラビオさんの主要な移籍はいずれも「フリー移籍」です。
これは、素行問題や代理人である母親のベロニク・ラビオさんとクラブとの交渉の難しさが原因となっていると広く分析されています。
実力がありながら最後は「揉めて出ていく」というパターンが繰り返されてきたことは、ラビオさんの選手としての評価に複雑な影を落としてきました。
アッレグリとの関係|ユベントスで覚醒した中盤の柱
ラビオさんのプレースタイルが最も磨かれたのがユベントス時代です。
そしてその中心にあったのが、マッシミリアーノ・アッレグリ監督との関係です。
アッレグリ監督の戦術とラビオの適性
アッレグリ監督はユベントスでいくつかのフォーメーションを使い分けてきましたが、共通するのは「中盤の選手に守備と攻撃の両面で高い貢献を求める」スタイルです。
ボックストゥボックス型でフィジカルとテクニックを兼ね備えたラビオさんは、まさにアッレグリ監督の求める理想のMF像にフィットしていたと言えます。
実際、ラビオさんはアッレグリ監督のもとでプレーした時期に最も安定したパフォーマンスを見せており、2022-23シーズンの8ゴールという数字がその証左です。
「中盤の要」としての信頼関係
ユベントスジャーナル(juventus-journal.com)の記事では「ユベントスの中盤の”要”ラビオ」と表現されており、アッレグリ体制においてラビオさんが中心的な役割を担っていたことが分かります。
「マッシミリアーノ・アッレグリの展開するカルチョを語る上で欠かせないのが、MFアドリアン・ラビオの存在だ」と評されるほどの信頼関係でした。
楽天の伝統とは少し違いますが、師弟関係に近い絆がアッレグリ監督とラビオさんの間には形成されていたと言えるでしょう。
ACミランでの再タッグ
2025-26シーズン、ACミランの指揮官に返り咲いたアッレグリ監督のもとへ、ラビオさんはマルセイユから加入しました。
まるで「再会の必然」のようなこの移籍は、双方にとって最良の選択だったとも言えます。
「ユベントス時代に師事しており自身を活かす方法を熟知しているアッレグリ監督の存在も大きく、ピッチ内では輝きを見せている」という分析が示す通り、ACミランでのラビオさんのプレースタイルは安定と成熟の時期を迎えています。
2028年6月までの長期契約が示す信頼
ACミランとの契約期間は3年間(2028年6月30日まで)となっています。
これまでの短期的な在籍パターンとは異なり、長期的な計画のもとで起用されていることが読み取れます。
アッレグリ監督との信頼関係があればこそ、チーム内の問題なくプレーを続けられているという分析もあり、良い環境下でのラビオさんのプレースタイルの安定感は実証済みです。
2018年W杯拒否事件|プライドが招いた大問題
ラビオさんのキャリアを語るとき、避けては通れないのが2018年のロシアW杯をめぐる一件です。
これはサッカー界で前代未聞と言われた出来事でした。
バックアップメンバー入り拒否という前代未聞の決断
2018年ロシアW杯において、フランス代表のデシャン監督はラビオさんをバックアップメンバー(控え候補)に位置付けました。
正式な23名登録ではなく、本大会前の練習参加要員としての召集です。
この扱いに対して、ラビオさんは代表参加を自ら辞退するという驚きの行動に出ました。
フランス代表がW杯で優勝する瞬間を、ラビオさんはスタンドではなくテレビで見ることになったわけです。
デシャン監督の苦言とラビオへの影響
デシャン監督は「大きな過ちを犯した」と苦言を呈しました。
フランスが優勝した後もこの決断への批判は続き、ラビオさんの「プライドが高すぎる」というイメージが定着するきっかけになりました。
代表チームとの関係において、一時はほぼ断絶状態になったとも伝えられています。
実力で信頼を取り戻したカムバック
しかし、ラビオさんはユベントスでの安定したパフォーマンスを続けることで、徐々にフランス代表への道を取り戻していきます。
「その後実力で信頼を取り戻し、見事なカムバックを果たした」という評価が示すように、ピッチでの活躍が最終的にはすべてを証明しました。
現在のデシャン監督もラビオさんに「大きな信頼を寄せる」とされており、完全に関係が修復されています。
W杯拒否が示すラビオの人物像
このW杯拒否事件は、ラビオさんのプレースタイルとは別の側面、つまり「自分の信念を貫く」という強い個性を示しています。
チームのために自分を犠牲にするよりも、自分が納得できる形でのみ関わるというスタイルは、時にプラスに、時にマイナスに働くものです。
「偉大なる才能を持ちながら、肉親、そして自らチャンスを潰してしまった感がある」という分析は、この点を的確についています。
母親代理人の存在|素行問題の核心
ラビオさんの素行問題を語る上で、最も重要な要素が母親・ベロニク・ラビオさんの存在です。
サッカー界でも珍しい「母親が代理人」という形態が、どのような影響を与えているのでしょうか。
代理人ベロニク・ラビオの影響力
ベロニク・ラビオさんは、息子のアドリアン・ラビオさんの代理人を務めています。
一般的にサッカー選手の代理人は専門のエージェントが務めることが多いですが、ラビオさんの場合は母親が全てを仕切るというスタイルをとっています。
この関係はPSG在籍時代から知られており、PSGというメガクラブ相手に「持ち前の毒舌を駆使して単体で戦い抜いた”敏腕”代理人」とも評されてきました。
EURO2020でのスタンド騒動
2021年のEURO2020(新型コロナで1年延期)では、フランス代表のスイス戦後にスタンドでの騒動が発生しました。
3失点目の起点となったMFポール・ポグバさんのボールロストについて、ベロニクさんはポグバの家族に20分間ほど不満を吐露しました。
さらに、PKを外したキリアン・ムバッペさんの家族にも本人の「傲慢さ」を正すように指摘したとされ、仏『RMCスポーツ』が伝えました。
スタンドを撮影したカメラにこのシーンが収められており、周囲がベロニク・ラビオさんを避けるように大きな空間ができていたと報じられています。
度重なる問題発言の影響
ベロニクさんの問題は一度だけではありません。
PSGとの契約延長交渉が決裂した背景にも、ベロニクさんの強硬な姿勢があったとされています。
ユベントスとの最終的な「喧嘩別れ」的な退団も、代理人としてのベロニクさんの交渉スタイルが影響した可能性が指摘されています。
「これだけの能力を持ちながらも数多くの下部組織を渡り歩き、プロになってからも最後は喧嘩別れの形でクラブを去る等、自らの価値を下げてしまう結果になっています」という評価は、母親の代理人問題と切り離せないものです。
現在の状況と今後の課題
現在のACミランでは、ベロニクさんが原因となるような大きなトラブルは報告されていません。
2028年6月までの長期契約を結んでいることは、少なくとも現状では安定した関係が続いていることを示しています。
「暫くはピッチ外での大暴れは無さそう」という見方が現実のものとなっているようです。
マルセイユの乱闘からACミランへ|移籍の経緯
ラビオさんのACミラン移籍には、マルセイユでの衝撃的な事件が大きく関わっています。
2025年の夏に起きたこの一件は、またもやラビオさんの「問題行動」として世界のサッカーファンの間で話題になりました。
マルセイユ加入とデ・ゼルビ監督との出会い
2024年7月にユベントスとの契約満了後、ラビオさんは同年9月にフランスのマルセイユへ加入しました。
ロベルト・デ・ゼルビ監督のもと、2024-25シーズンは公式戦31試合で10ゴール6アシストという爆発的な活躍を見せます。
マルセイユではキャリアハイの数字を残し、欧州の主要クラブからの関心を集めていました。
リーグアン開幕節・レンヌ戦後の乱闘騒ぎ
2025年8月15日、リーグアン2025-26シーズン開幕節のレンヌ戦後に事件は起きます。
試合後のロッカールームで、ラビオさんとイングランド人FWジョナサン・ロウさんの間で口論が勃発。
その口論が乱闘に発展したとされ、マルセイユは8月19日に「容認できない行為」があったとして、ラビオさんとロウさんの2名を移籍リストに加えたとする異例の声明を発表しました。
開幕わずか1試合で、レギュラーとして期待されていた選手がチームから追放されるという衝撃的な事態でした。
ミラン移籍の経緯と交渉
かねてからラビオさんへの関心を持っていたACミランは、このタイミングで獲得に本格的に動き出します。
当初は移籍金に開きがありましたが、最終的に1000万ユーロ(約17億円)で合意。
ファブリツィオ・ロマーノさんが最初に「1500万ユーロ(約26億円)」と報じていたことを考えると、値下げ交渉がうまくいったと言えます。
ラビオさん自身もアストン・ヴィラからのオファーを断り、ACミランへの移籍を強く希望していたとされており、2025年9月1日に正式加入が発表されました。
皮肉な縁:問題がチャンスを生んだ
皮肉なことに、マルセイユでの乱闘騒ぎという「問題行動」が、ラビオさんにとってACミランという理想のクラブへの移籍というチャンスを生みました。
アッレグリ監督との再タッグ、ACミランという歴史あるビッグクラブ、そして長期契約と、ある意味で転禍為福のキャリアチェンジとなったわけです。
ただし「自らの価値を下げてしまう行動」というパターンが繰り返されていることも事実であり、今後の安定したキャリア継続が期待されます。
フランス代表での役割|2026年W杯の展望
ラビオさんのプレースタイルと実力が最も凝縮された舞台が、フランス代表でのプレーです。
2026年W杯に向けた現在の立ち位置を確認してみましょう。
フランス代表での歩み
ラビオさんは2016年に初招集され、フランス代表でのキャリアをスタートさせました。
2018年W杯ではバックアップメンバー入りを拒否するという波乱を経ましたが、その後のユベントスでの安定した活躍によってデシャン監督の信頼を取り戻し、主力として定着しています。
フランス代表は2018年のロシアW杯でのエムバペさん、グリーズマンさんらを擁する黄金世代で、ラビオさんはその中盤を支える重要な役割を担っています。
デシャン監督との関係修復
2018年W杯拒否事件で対立したデシャン監督との関係は、現在では完全に修復されています。
「デシャン監督も一度は対立関係になったものの和解しており、今では大きな信頼を寄せる程に」とされており、過去の確執を乗り越えた成熟した関係が構築されています。
この関係修復は、ラビオさん自身のプレースタイルの安定と成熟が最大の要因だったと言えるでしょう。
2026年W杯への期待値
2026年FIFAワールドカップ(北中米開催)に向けて、ラビオさんのフランス代表入りは「怪我や極度の不振に陥らない限り堅い」と評価されています。
2018年のバックアップ拒否から始まった代表との軋轢を乗り越え、主力として挑む2026年W杯は、ラビオさんにとって特別な意味を持つ大会になるはずです。
ACミランでの安定したパフォーマンスが続く限り、デシャン監督がラビオさんを外す理由は見当たりません。
フランス代表の中盤における役割
フランス代表の中盤は、チュアメニさん、カマヴィンガさんなど若い才能が揃っています。
その中でラビオさんが担うのは「経験とフィジカルの融合」による安定感です。
188cmの体格と長年の経験から来る戦術眼は、若い中盤が経験しきれないエリートレベルでの対応力を補完する役割を果たします。
ラビオさんのプレースタイルの真価が、世界最高の舞台で発揮される日が近づいています。
アドリアン・ラビオのプレースタイルの総括まとめ
- アドリアン・ラビオは1995年4月3日生まれのフランス代表MF
- 愛称は「ル・デュク(公爵)」で気品ある優雅なプレーが由来
- プレースタイルはボックストゥボックスの万能型MF
- 最大の武器は長いストライドを活かしたボールキャリー能力
- 188cmのフィジカルと高い技術を両立させた稀有な選手
- 4-3-3や4-2-3-1など複数フォーメーションに柔軟に対応
- 守備はフィジカル型でなく読みとカバーリングの知性型
- ファイナルサードでの仕事量はやや課題でラストパス精度に向上余地
- PSG・ユベントス・マルセイユ・ACミランとビッグクラブを渡り歩いた
- 2018年W杯のバックアップメンバー拒否は前代未聞の行動として批判を受けた
- 母親ベロニク・ラビオが代理人を務め素行問題の一因とされる
- マルセイユでのロウとの乱闘騒ぎで移籍リスト入りしACミランへ
- ユベントスでアッレグリ監督から絶大な信頼を得た中盤の要
- ACミランでもアッレグリ監督と再タッグで2028年6月まで長期契約
- デシャン監督との和解を経て2026年W杯出場が有力視される
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