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マルセロ・ブロゾビッチさんのプレースタイルが気になっている方は多いのではないでしょうか。
クロアチア代表とインテルミラノの中盤を長年支えたブロゾビッチさんは、「走るレジスタ」として現代サッカーの常識を塗り替えた司令塔として知られています。
2022年カタールW杯の日本戦では120分フル出場しながらW杯史上最長となる走行距離16.64kmという驚異の記録を叩き出し、パス成功数115本・成功率88%という正確さも同時に証明しました。
インテルで11年ぶりのスクデット獲得に貢献し、現在はアル・ナスルでクリスティアーノ・ロナウドさんのプレーメイカーとして活躍するブロゾビッチさんのプレースタイルを徹底解説します。
記事のポイント
①:マルセロ・ブロゾビッチは1992年11月16日生まれのクロアチア代表CM
②:W杯史上最長の走行距離16.64kmを叩き出した「走るレジスタ」
③:インテルで3年連続走行距離リーグ1位を記録した圧倒的なスタミナが武器
④:現在はアル・ナスルFCで年俸約40億円のプレーメイカーとして活躍
マルセロ・ブロゾビッチのプレースタイル|中盤の司令塔
- ブロゾビッチのプレースタイル概要と基本情報
- レジスタとしてのポジショニングとビルドアップ
- 圧巻のパスセンスと両足の精度
- W杯で証明した超人的スタミナ
- ボール奪取とインターセプト能力
ブロゾビッチのプレースタイル概要と基本情報
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マルセロ・ブロゾビッチさんのプレースタイルを一言で表すなら、「あらゆる場所に顔を出す司令塔」です。
レジスタ(司令塔型CM)としての特徴
ブロゾビッチさんの主なポジションはセントラルMF(CM)で、特に「レジスタ」と呼ばれる中盤の底でゲームをコントロールする役割で真価を発揮します。
レジスタとは、中盤深い位置からパスを散らし、チームの攻撃リズムを作り出すポジションです。ピルロさんやブスケツさんのような「動かないレジスタ」とは異なり、ブロゾビッチさんは「走るレジスタ」として知られており、ボールを失えば前線からプレッシングをかけ、守備局面でも走り続ける異色のスタイルを確立しました。
プレースタイルの特徴を整理すると、①視野の広さとポジショニング、②高精度の両足パス、③豊富な運動量(走行距離リーグ1位を3年連続)、④インターセプトと守備センス、⑤ミドルシュートの精度の高さ、という5点が挙げられます。
マルセロ・ブロゾビッチのプロフィール表
下記の表は、マルセロ・ブロゾビッチさんの基本プロフィールをまとめたものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 本名 | マルセロ・ブロゾビッチ |
| 生年月日 | 1992年11月16日 |
| 2026年04月22日現在の年齢 | 33歳 |
| 出身地 | クロアチア・ザグレブ |
| 国籍 | クロアチア |
| 身長・体重 | 181cm・68kg |
| ポジション | CM(レジスタ) |
| 利き足 | 右足 |
| 所属クラブ | アル・ナスルFC |
| 背番号 | 11番(インテル時代は77番) |
| 代表 | クロアチア代表 |
クラブキャリアと主要タイトル
ブロゾビッチさんのキャリアは、クロアチアのザグレブで始まりました。
| 期間 | クラブ | 主な実績 |
|---|---|---|
| 2010-2011 | NKフルヴァツキ・ドラゴヴォリャツ | プロデビュー、リーグ戦22試合 |
| 2011-2012 | NKロコモティヴァ・ザグレブ | 主力として33試合4得点 |
| 2012-2015 | GNKディナモ・ザグレブ | 3年連続リーグ優勝 |
| 2015-2023 | インテルミラノ | スクデット(2020-21)、CL準優勝(2022-23) |
| 2023- | アル・ナスルFC | 年俸約40億円、C・ロナウドと共闘 |
ディナモ・ザグレブでの3年連続リーグ優勝を経て、2015年1月にインテルに加入。最初の2シーズンは定位置が掴めない状況でしたが、スパレッティ監督の就任(2017-18シーズン)を機に一気に開花し、以降8年間インテルの「心臓」として君臨しました。
プレースタイルを象徴するエピソード
ブロゾビッチさんには「クロアチアサッカー界No.1の変人」という異名があります。
その理由の一つが、喫煙習慣と異常な走行距離という矛盾するエピソードです。コッパ・イタリア決勝でユベントスを破った後、GKのコルダスさんとビール片手にタバコをくわえた写真を自身のInstagramに投稿。EURO2020でスペインに敗れた後はコンビニでタバコを購入する姿が撮られるなど、喫煙者として広く知られています。
それでいて試合中の走行距離はリーグトップ、W杯史上最長を記録するという常識外れぶりがファンを魅了しています。
レジスタとしてのポジショニングとビルドアップ
ブロゾビッチさんの最大の強みは、「どこにいれば良いか」を瞬時に判断する能力、すなわちポジショニングのセンスです。
「あらゆる場所に顔を出す」動き方の秘密
ブロゾビッチさんのプレースタイルを「あらゆる場所に顔を出す司令塔」と表現するのは、初期配置は中盤の底でありながら、ピッチ全域を動き回って常にボール循環に関わり続ける能力を持っているからです。
相手の守備が絞ってくれば外に開き、ボールが左サイドに展開されれば中央に残り、味方が詰まれば下がってパスコースを作る——この「適切な場所に常にいる」能力は、単なる運動量だけでは説明できません。試合の流れを先読みするサッカー・インテリジェンスの高さこそが、ブロゾビッチさんのポジショニングの核心です。
その結果として、マンマークを付けることが困難という守備側の悩みが生まれます。ユベントスがゲームプランとして「ブロゾビッチ番」(ブロゾビッチさん専用のマーカー)を毎試合起用するほど、その影響力は絶大でした。
ビルドアップ時の巧みなポジション取り
ブロゾビッチさんが特に優れているのが、ビルドアップ(後方からのボール配給)時のポジション取りです。
相手の守備の配置を素早く把握し、そのプレッシングの「ほころび」が生じる位置に先回りして立ちます。一見すると守備的なポジションに見えても、相手が動けば即座に前方向のパスコースが開く位置を常に確保しているのです。
インテル時代にコンテ監督が語った言葉が印象的です。「ブロゾビッチなしでビルドアップを安定させることは難しい。彼が消えると途端に機能性が落ちる」——これはブロゾビッチさんへの最大の賛辞であると同時に、その存在がいかに独特かを示す言葉でもあります。
インテルでのスクデット獲得への貢献
ブロゾビッチさんのビルドアップ能力が最も輝いたのが、2020-21シーズンのインテルでの活躍です。
コンテ監督率いるインテルは、11年ぶりとなるスクデット(セリエA優勝)を達成しました。このシーズン、ブロゾビッチさんはリーグ戦33試合に出場し、2得点と多くのアシストに加え、チームのビルドアップの核として機能しました。走行距離リーグ1位(1試合平均11.929km)を3年連続で記録しており、そのスタミナと献身性がコンテ戦術の実現を支えていたことは間違いありません。
圧巻のパスセンスと両足の精度
ブロゾビッチさんのパス能力は、守備的MFの水準を遥かに超えています。
高精度な両足のパスバリエーション
ブロゾビッチさんが高く評価される理由の一つが、右足だけでなく左足からも同様の精度でパスを出せる両足の能力です。
ショートパス、ロングパス、スルーパス、セットプレーのキック——どの局面でも高い精度を発揮します。インテル時代の1シーズンでパス成功数2,575本(チーム1位)という記録も残しています。これは単に多くパスを出したというだけでなく、その精度が高かった証明でもあります。
特に長距離のサイドチェンジパスと、局面を打開する縦への鋭いスルーパスは他の選手には出せないクオリティで、味方の攻撃のスイッチを入れる役割を担っていました。
セットプレーのキッカーとしての貢献
ブロゾビッチさんはプレースキック(CKやFK)の精度も高く、セットプレーでも大きな武器となっています。
ゲームデータでのプレースキック能力は常にリーグトップクラスの評価を受けており、チームの得点に直結するFKやCKのキッカーを長年担当しました。右足主体ながら左足でのキックも精度が高く、相手GKとDFが守備的なポジショニングをとる中でも正確にエリアに供給する能力があります。
強烈なミドルシュートという隠れた武器
ブロゾビッチさんのプレースタイルの「隠れた武器」が強烈なミドルシュートです。
守備的MFのイメージが強いため見落とされがちですが、PAの外から放つミドルシュートの精度と威力は一級品です。インテル時代には毎シーズン2〜4得点を記録し、そのほとんどがミドルレンジからのシュートです。相手が引いて守る展開では、このミドルシュートが突破口となる場面も多くありました。
このように、ブロゾビッチさんのパスセンスはショートパス・ロングパス・シュートまで多岐にわたり、中盤の司令塔として欠かせない存在感を放っていました。
W杯で証明した超人的スタミナ
ブロゾビッチさんの名を世界中に広めたのが、2022年カタールW杯での日本戦でした。
走行距離16.64km|W杯史上最長記録を自己更新
2022年カタールW杯ラウンド16の日本対クロアチア戦。試合は延長を含む120分の激戦となりましたが、ブロゾビッチさんはこの試合を完走しました。
FIFAが発表した走行距離は16.64km。これはW杯史上最長の走行距離記録であり、実は前記録も2018年ロシアW杯でのブロゾビッチさん自身の記録(16.40km・対イングランド準決勝)でした。自己記録を4年ぶりに更新したのです。
さらに驚くべきは、走行距離だけでなくパスの精度も全く落ちていない点です。この試合でのパス成功数は115本、成功率88%と非常に高い水準を維持しました。喫煙習慣があることで知られる選手がこの記録を叩き出した事実は、世界中のサッカーファンに衝撃を与えました。
カナダ戦・日本戦でのグループステージからの活躍
カタールW杯でのブロゾビッチさんは、グループステージから異次元のパフォーマンスを見せました。
グループステージ第2戦のカナダ戦では1試合で13.90kmを走破し、連戦をこなしながらもスタミナが全く衰えない姿を証明しました。グループステージ3試合全てにフル出場し、決勝トーナメントでも120分を走り切るというパフォーマンスは、ブロゾビッチさんが「鉄人」と呼ばれる理由を改めて示しました。
特に前田大然さんがブロゾビッチさんへのパスコースを消す戦術を日本は採用しましたが、ブロゾビッチさんはあらゆる方法でコースを作り出し、クロアチアの試合運びを安定させました。
3年連続リーグ走行距離1位の事実
W杯での記録は一時的なものではありません。インテル時代にブロゾビッチさんは3年連続でリーグ走行距離個人ランキング1位(1試合平均11.929km)を記録しています。
これはシーズンを通じて、毎試合高いレベルのスタミナを維持し続けた証明です。34試合前後のシーズンを全て高強度で走り切るには、科学的なコンディション管理と生まれ持ったフィジカルの強さの両方が必要です。喫煙習慣があるという逸話も含めて、ブロゾビッチさんの体のタフさは規格外と言えるでしょう。
ボール奪取とインターセプト能力
ブロゾビッチさんは走行距離とパスセンスが注目されがちですが、守備面での貢献度も非常に高いです。
インターセプトを軸とした守備スタイル
ブロゾビッチさんの守備は対人(フィジカルコンタクト)よりも、インターセプトとポジショニングによるボール奪取を軸としています。
相手のパスコースを先読みして適切なポジションを取ることで、身体的な強さに依存せずにボールを奪います。この「頭で守る」スタイルは、フィジカル的には決して強靭ではないブロゾビッチさんが長年トップリーグで守備貢献できた理由の一つです。インテル時代のタックル数もシーズン通じてチーム1位(77回)を記録しており、守備への積極的な姿勢は数字にも表れています。
守備時のプレスと危険察知能力
ブロゾビッチさんには守備時に相手アンカーやボールホルダーにプレッシャーをかける習慣があります。
中盤の底から前線に向かってプレスをかけることで、相手のビルドアップを阻害し、味方のプレッシングと連動した守備網を形成します。この「攻撃的な守備参加」は豊富なスタミナがあってこそ可能な動きで、ブロゾビッチさんのプレースタイルが「走るレジスタ」と呼ばれる所以です。
また、危険察知能力が高く、守備時には気の利いたポジショニングでDFをフォローする動きも見せます。単にボールを持った相手に向かっていくだけでなく、チームの守備形状を崩さない場所から動き出す知性が、長年にわたってトップクラブで活躍できた秘訣の一つです。
ブロゾビッチなしでのチームの機能低下
ブロゾビッチさんの存在がいかに重要かは、彼が欠場した際のチームのパフォーマンス低下からも明らかです。
2022-23シーズン前半、ブロゾビッチさんが故障で長期離脱を強いられた際、インテルはビルドアップの安定感を失い、チームの機能性が大幅に低下しました。10月以降のセリエAでの出場がわずか48分に留まったにもかかわらず、後半からコンディションを取り戻すと、チームはCL決勝進出(準優勝)という快挙を達成。ブロゾビッチさんがいる・いないでチームの質が大きく変わることを示した象徴的なシーズンでした。
マルセロ・ブロゾビッチのプレースタイルが輝いた経緯
- インテルでのプレースタイル開花
- クロアチア代表での中盤三角形
- アル・ナスルでの現状と評価
- プレースタイルの特殊性と課題
- モドリッチ・カゼミーロとの比較
- マルセロ・ブロゾビッチのプレースタイルの総まとめポイント
インテルでのプレースタイル開花
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ブロゾビッチさんがトップクラスの評価を得るようになったのは、インテルでの2017-18シーズンが転機でした。
スパレッティ監督のレジスタ起用で才能が開花
2015年のインテル加入から最初の2シーズン、ブロゾビッチさんはやや攻撃的な役割を担いながらも定位置を確保できませんでした。監督の交代が相次ぐ不安定な時期でしたが、2017-18シーズンにスパレッティ監督が就任すると状況が一変します。
スパレッティ監督はブロゾビッチさんを「中盤の底でゲームを組み立てるレジスタ」として起用。この決断が大当たりし、ブロゾビッチさんはリーグ戦31試合で4得点9アシストという数字を残し、チームに安定感をもたらす活躍を見せます。以降は不動のレギュラーとなりました。
この「レジスタとしての開花」は、ポジション選択の重要性を示す典型例として語り継がれています。ブロゾビッチさんの能力は以前から高かったのに、正しい役割を与えられることで初めてその真価が引き出されたのです。
コンテ監督のもとでのスクデット奪還
2019年から指揮を執ったアントニオ・コンテ監督のもとで、ブロゾビッチさんの評価はさらに高まりました。
コンテ監督が採用した3ボランチのシステムでは、バレッラさん、ガリアルディーニさん(またはビダルさん)とともに中盤3枚の一角を担い、ゲームメイクを一手に担いました。2020-21シーズンには11年ぶりとなるスクデット獲得に大きく貢献し、「コンテのインテルの脳みそ」と称賛されました。
インザーギ体制でのCL準優勝
コンテ監督退任後、インザーギ監督体制でもブロゾビッチさんの重要性は変わりませんでした。
2021-22シーズンにはイタリア杯(コッパ・イタリア)優勝に導くゴールを決め、2022-23シーズンには13年ぶりのCL決勝進出(準優勝)に貢献。故障での長期離脱がありながらも、後半に復帰して決定的な役割を果たしました。インテルでの8年間を通じて、ブロゾビッチさんはクラブ史に残る中盤の名手として歴史に刻まれています。
クロアチア代表での中盤三角形
ブロゾビッチさんのプレースタイルが世界規模で認知されたのは、クロアチア代表での活躍がきっかけです。
モドリッチ・ラキティッチとの黄金の三角形
2018年ロシアW杯で、クロアチアは準優勝という歴史的な成績を残しました。その中盤を支えたのが、ルカ・モドリッチさん、イバン・ラキティッチさん、そしてブロゾビッチさんによる「黄金のトライアングル」です。
モドリッチさんが創造性と攻撃の起点を担い、ラキティッチさんがバランサーとして機能し、ブロゾビッチさんが守備の均衡を保ちながら走り続けるという役割分担が機能しました。3人の補完関係は現代サッカー史上屈指の中盤として称賛されています。
このW杯でブロゾビッチさんはイングランドとの準決勝で走行距離16.40kmという当時のW杯最長記録を樹立。チームの快進撃を体力面から支え続けました。
2022年カタールW杯でのベスト4
ラキティッチさんが引退した後も、クロアチアはW杯2022年大会でベスト4に入る快挙を達成しました。
前述の通り日本戦で走行距離16.64kmを記録し、W杯自己記録を更新。コバチッチさんとのコンビで中盤を支え、ベスト4(3位)という結果をもたらしました。この大会でブロゾビッチさんは30歳を迎えており、肉体的なピークを過ぎた年齢でこの記録を叩き出した事実が、改めてその異常なスタミナと技術を証明しました。
代表でのスタイルとクラブとの違い
クロアチア代表でのブロゾビッチさんのプレースタイルは、クラブでの役割とやや異なります。
インテルではより深い位置でゲームメイクに徹しましたが、代表では攻守双方に積極的に関与する「ボックス・トゥ・ボックス」的な役割も担います。これはモドリッチさんを最大限に活かすため、ブロゾビッチさんが守備的負担を引き受けることでモドリッチさんがより自由にプレーできる環境を作る配慮があったとされています。
こうした役割分担の明確さが、クロアチア代表の高い戦術的完成度を生み出していたと言えるでしょう。
アル・ナスルでの現状と評価
2023年夏、ブロゾビッチさんは約28億円の移籍金でインテルからサウジアラビアのアル・ナスルに移籍しました。
サウジ移籍の背景と決断
インテルとの契約終了後、バルセロナからもオファーがありましたが、ブロゾビッチさんはアル・ナスルを選択しました。
決め手となったのは年俸の差です。アル・ナスルが提示した年俸はバルセロナの約3倍とされており、2026年までの3年間で約158億円以上のサラリーを受け取る契約を結んだと報じられています。2026年現在の推定年俸は約40億円で、サウジリーグ年俸ランキングでもトップ10入りする高額契約です。
当時30歳という年齢を考えると、「最後の大型契約」を欧州でのビッグクラブへの移籍よりも高待遇のサウジアラビアで結ぶという判断は理解できます。
ロナウドのプレーメイカーとしての役割
アル・ナスルでのブロゾビッチさんの最大の役割は、クリスティアーノ・ロナウドさんのプレーメイカーとして機能することです。
ロナウドさんが最も信頼を寄せるプレイメイカーとして、中盤からゲームをコントロールする役割を担っています。インテル時代に磨かれたビルドアップ能力とパスセンスはアル・ナスルでも健在で、「年俸40億円でも格安」と言われるほどの安定感を見せています。
2023-24シーズンから在籍し、現在もアル・ナスルの中盤の核として活躍中です。衰えを知らないスタミナとパスセンスは、サウジリーグでも際立っています。
アル・ナスルでの背番号11への変更
インテル時代の8年間愛用した背番号77番から、アル・ナスルでは11番に変更しました。
背番号77はインテルでのキャリアの象徴であり、ディナモ・ザグレブ時代から一貫して使い続けた番号でした。アル・ナスルでの11番も特別な意味を持つ番号で、チームに馴染んだ証の一つと言えるでしょう。
サウジアラビアリーグでの経験は、ブロゾビッチさんにとって新たなチャレンジであり、欧州とは異なる環境で自らの価値を証明し続けています。
プレースタイルの特殊性と課題
ブロゾビッチさんのプレースタイルは特殊であり、その特殊性がメリットでもあり課題でもあります。
他の誰とも異なる独自のプレースタイル
ブロゾビッチさんのプレースタイルは「走るレジスタ」という一言では表しきれない複合的な特徴を持っています。
従来のレジスタ像(ピルロのように動かずにゲームをコントロールする)を変えた存在として評価されており、運動量・パスセンス・守備貢献の全てを高次元で兼ね備えるプレースタイルは同時代の誰にも真似できません。
また、プレーするエリアが非常に広いため、相手チームが戦術的に対応しにくい点も特徴です。通常のDMFなら中盤の底に留まるはずの選手が、サイドにも上がり、ゴール前にも現れるため、マンマークで対応しようとすると守備の形が崩れてしまいます。
フィジカルコンタクトの課題
ブロゾビッチさんのプレースタイルにも弱点があります。それがフィジカルコンタクト(体の強さ)です。
一対一の球際での対人プレーは特段優れているわけではなく、インターセプトや連動した守備でボールを奪うスタイルを採用しているため、周囲の選手との連動が不可欠です。
インテル時代はバレッラさんやビダルさんなど、フィジカルに優れた選手がそばにいることでこの弱点が補われていました。逆に言えば、ブロゾビッチさんのプレースタイルが輝くためには、適切なサポート役がいることが前提条件になります。
特殊性が生む依存問題
ブロゾビッチさんのプレースタイルの特殊性は、チームがブロゾビッチさんに依存しすぎるリスクを生みます。
インテル時代にも指摘されていた通り、「彼がゲームから消されると途端に機能性が落ちてしまう」という問題があります。これはプレースタイルが特殊なほど代役を立てることが難しくなるためです。同じようなプレースタイルを持つ選手がほとんど存在しないため、ブロゾビッチさんが不在の際に全く同じ役割をこなせる選手は世界中探しても見つかりません。
モドリッチ・カゼミーロとの比較
ブロゾビッチさんを語るとき、しばしば比較される選手がいます。同じクロアチア代表のモドリッチさんと、守備型CMとしてはカゼミーロさんです。
ルカ・モドリッチとの共通点と相違点
同じクロアチア代表の中盤として長年共に戦ったモドリッチさんとブロゾビッチさん。その違いは役割の違いです。
モドリッチさんはゲームの創造者であり、ドリブルと短いパスで局面を打開する芸術家型。対してブロゾビッチさんは縁の下の力持ち型で、モドリッチさんが自由に動けるスペースを守備走行で確保し、正確なパスで配給する役割を担っていました。
二人の補完関係が機能したからこそ、クロアチアは2018年W杯準優勝・2022年W杯ベスト4という歴史的成績を残せたと言えます。
カゼミーロとの守備役割の類似点
守備的なMFという側面ではカゼミーロさんと比較されることもありますが、スタイルは大きく異なります。
カゼミーロさんが「制圧型」(フィジカルとタックルで相手を封じる)であるのに対し、ブロゾビッチさんは「知性型」(ポジショニングとインターセプトで守備に関与)と表現できます。また、カゼミーロさんよりもビルドアップと攻撃への関与度が高く、守備専任ではなく攻守のバランスが取れている点がブロゾビッチさんの特徴です。
現代サッカーにおけるブロゾビッチ型の影響
ブロゾビッチさんが体現した「走るレジスタ」というプレースタイルは、現代サッカーにおける中盤の理想像の一つとして評価されています。
テクニカルな司令塔が豊富なスタミナを持ち合わせ、守備にも積極的に参加する——このスタイルは現在の欧州トップクラブで多くの監督が求めるMFの形に近いです。ブロゾビッチさんの成功が、こうしたプレースタイルへの注目度を高めた影響は小さくないと言えるでしょう。
3人それぞれが異なる強みを持ちながらも、中盤の守備と攻撃を支えるという本質的な役割は共通しており、現代サッカーにおけるアンカーの多様性を体現していると言えるでしょう。
マルセロ・ブロゾビッチのプレースタイルの総まとめポイント
- 1992年11月16日生まれ、クロアチア・ザグレブ出身のCM(レジスタ)
- 身長181cm・体重68kgで「走るレジスタ」として現代サッカーに新風
- インテルでの8年間でスクデット(2020-21)・CL準優勝(2022-23)を達成
- 3年連続走行距離リーグ1位(1試合平均11.929km)を記録したスタミナ
- W杯2022日本戦で120分走行距離16.64kmというW杯史上最長記録を更新
- パス成功数115本・成功率88%をあの走行距離と同時に達成した精度
- スパレッティ監督の「レジスタ起用」で才能が開花した2017-18シーズンが転機
- インテル時代タックル数シーズン77回・パス成功数2575本でともにチーム1位
- モドリッチ・ラキティッチとの黄金の中盤三角形でクロアチアW杯準優勝に貢献
- 「ブロゾビッチ番」が毎試合起用されるほど相手チームに意識された存在感
- フィジカルコンタクトは得意でなく、インターセプトと連動守備でカバー
- 喫煙習慣があるにもかかわらず異常なスタミナを誇る「クロアチア界No.1の変人」
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- バルセロナを断りサウジを選んだ決断は「約3倍の年俸」が決め手
- C・ロナウドのプレーメイカーとして現在もアル・ナスルの中心選手
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