マヌエル・ウガルテのプレースタイル|デュエルで中盤を制圧する守備の怪物

※当記事は公開情報をまとめた考察記事です。記載内容は執筆時点で確認できた情報に基づきます。本サイトのコンテンツには、商品プロモーションが含まれています。

マヌエル・ウガルテさんのプレースタイルが気になっている方は多いのではないでしょうか。

ウルグアイ出身の守備的ミッドフィルダーとして、「デュエルの怪物」という異名を持つウガルテさんは、中盤での圧倒的なボール奪取力とスライディングタックルの精度で欧州サッカー界に名を刻んでいます。

スポルティングCPでのチャンピオンズリーグ最多タックル・インターセプト達成、PSGでのリーグ・アン優勝を経て、現在はマンチェスター・ユナイテッドで背番号25を背負いプレーしているウガルテさんのプレースタイルを徹底解説します。

守備の圧倒的な貢献度だけでなく、弱点や課題、カゼミーロ・ベンタンクールとの比較まで、あなたが知りたい情報を丁寧にまとめました。

記事のポイント

①:マヌエル・ウガルテは2001年4月11日生まれのウルグアイ代表CDM

②:スポルティングCPでのCL最多タックル・インターセプトで欧州に名を轟かせた

③:「デュエルの怪物」と呼ばれるスライディングタックルと球際の強さが最大の武器

④:マンチェスター・ユナイテッドではアモリムのシステムとの相性が課題になっている

マヌエル・ウガルテのプレースタイル|守備と制圧力

  • ウガルテのプレースタイル概要と基本情報
  • タックルとボール奪取|デュエルの怪物の実力
  • スライディングタックルの精度と迫力
  • インターセプトとプレッシングが生む守備網
  • 驚異のスタミナとフィジカル能力

ウガルテのプレースタイル概要と基本情報

 

この投稿をInstagramで見る

 

Manuel Ugarte(@ugartemanu)がシェアした投稿

マヌエル・ウガルテさんのプレースタイルを一言で表すなら、「中盤の破壊者」です。

CDM(守備的MF)としての役割と特徴

ウガルテさんのポジションはセンター・ディフェンシブ・ミッドフィルダー(CDM)で、守備的MFとして中盤の底でチームの盾となる役割を担っています。

主な特徴は次の通りです。

①広範囲をカバーする機動力と豊富な運動量、②スライディングタックルの精度と球際の強さ、③インターセプト能力とプレッシングの連動性。

守備的MFの中でも特に「ボール奪取型」に分類されるプレースタイルで、ゾーンを守るタイプではなく、ボールを追いかけて積極的に奪いに行くハンター型のプレースタイルが最大の特徴です。

ここ、かなり重要なポイントですよね。守備的MFにも様々なタイプがありますが、ウガルテさんはその中でも最も攻撃的な守備スタイルを持つ選手の一人です。

マヌエル・ウガルテのプロフィール表

下記の表は、マヌエル・ウガルテさんの基本プロフィールをまとめたものです。

項目 内容
本名 マヌエル・ウガルテ・リベイロ
生年月日 2001年4月11日
2026年04月23日現在の年齢 25歳
出身地 ウルグアイ・モンテビデオ
国籍 ウルグアイ
身長・体重 182cm・77kg
ポジション 守備的MF(CDM)
利き足 右足
所属クラブ マンチェスター・ユナイテッドFC
背番号 25番
代表 ウルグアイ代表(36試合1ゴール)

キャリアの歩みと移籍歴

ウガルテさんのキャリアは、ウルグアイの首都モンテビデオで始まりました。

以下の表に、主な移籍歴をまとめています。

期間 クラブ 出来事
2015-2016 CAフェニックス(ユース) 15歳でユースに加入
2016-2020 CAフェニックス 15歳でプロデビュー、18歳でキャプテン就任
2021 FCファマリカン(ポルトガル) 300万ユーロで移籍、5年契約
2021-2023 スポルティングCP ジョアン・パリーニャ後任、CL最多タックル記録
2023-2024 パリ・サンジェルマンFC リーグ・アン優勝、クープ・ド・フランス優勝
2024- マンチェスター・ユナイテッドFC 約5,100万ポンドで移籍、背番号25

15歳でプロデビューし、わずか3年でキャプテンを務めるほどの逸材でした。ポルトガルのファマリカンで経験を積んだ後、スポルティングCPで一気に欧州トップクラスのプレーヤーへと駆け上がっています。

代表歴と主要タイトル

ウガルテさんは2021年にウルグアイ代表デビューを果たし、FIFAワールドカップ2022カタール大会にも出場しています

2024年のコパ・アメリカにも選出され、ウルグアイ代表の主力ミッドフィルダーとして活躍しています。

クラブタイトルとしては、スポルティングCPでのリーガ・ポルトガル(2021-22)、PSGでのリーグ・アン(2023-24)・クープ・ド・フランス(2023-24)・トロフェ・デ・シャンピオン(2023)と主要タイトルを複数制覇しています。

タックルとボール奪取|デュエルの怪物の実力

「デュエルの怪物」という異名は、決して大げさではありません。

一試合あたりのデュエル勝利数の驚異的な数値

ウガルテさんのタックル能力を示す数値は、欧州のトップリーグでも群を抜いています。

欧州主要5大リーグで、パス成功率85%以上を維持しながら90分あたり4回以上のタックルを記録している唯一のMFという事実が、その実力を端的に示しています。

ボールを奪いながらも確実にパスをつなぐ——これはCDMに求められる理想像そのものです。守備だけでなくボール保持にも貢献できる点が、単純な破壊者との違いです。

スポルティングCP時代の2022-23シーズンには、ポルトガルリーグでタックル試投数・成功率ともにリーグ1位を記録しました。インターセプト数やボールカット数もリーグトップレベルで、まさにCDMとして最高のシーズンを送りました。

なぜ「デュエルの怪物」と評されるのか

ウガルテさんが「デュエルの怪物」と呼ばれる最大の理由は、球際での粘り強さと諦めない姿勢にあります。

一般的なMFが諦めるような場面でも、ウガルテさんは最後まで食らいついてボールを奪おうとします。相手に一度抜かれそうになっても、すぐに体勢を立て直して追いかけ、最終的にボールを刈り取る姿が頻繁に見られます。

この粘り強さの背景にあるのが、ウルグアイ人らしい「勝利への執念」と「闘争心」です。どんな状況でも全力を尽くす姿勢は、チームを鼓舞し、試合の強度を引き上げる効果があります。

一対一の球際で見せる圧倒的な強さ

ウガルテさんの球際の強さは、フィジカルとメンタルの両方に支えられています。

身長182cm・体重77kgという体格は決して大柄ではありませんが、低重心で当たり負けしない体の使い方と、瞬発力を活かした出足の速さで相手を上回ります。

また、一対一の局面では相手の動きを予測してポジションを取る能力に優れており、「奪いに行くタイミング」の判断が正確です。これは幼少期からの経験と、CAフェニックス時代のコーチングによって培われた能力と言えます。

カードリスクを伴うプレースタイルの宿命

激しいプレースタイルには代償もあります。ウガルテさんは警告や退場リスクを常に背負っています。

スポルティングCP時代の2022-23シーズンには、イエローカードだけで11枚を受けたという事実がその象徴です。また、マンチェスター・ユナイテッドでのウルグアイ代表戦ではイエローカードを2枚受けながら退場にならないという珍事もありました。

これはウガルテさんのプレースタイルが持つ「宿命的な側面」です。激しくボールに向かっていくからこそ奪える場面がある反面、ファウルやカードのリスクが常につきまとう。守備的MFとしての限界と可能性を同時に体現しているとも言えます。

スライディングタックルの精度と迫力

ウガルテさんの守備プレーの中で、特に称賛を集めるのがスライディングタックルの精度です。

スライディングタックルの技術的な特徴

スライディングタックルとは、地面に滑り込みながら相手のボールを奪う技術です。タイミングを誤れば一発退場になりかねないリスクの高いプレーですが、ウガルテさんはその成功率の高さが際立っています。

スライディングタックルの特徴は、入るタイミングの正確さと滑り込む際の角度の計算にあります。相手がボールを持った瞬間に最も奪いやすい方向から滑り込むことで、ファウルにならずにボールだけを触れる確率を高めています。

スポルティングCP時代のポルトガルリーグとチャンピオンズリーグのデータを見ると、スライディングタックルの成功率はリーグトップクラスで、その精度の高さが欧州の各クラブのスカウト陣に注目されるきっかけとなりました。

抜かれてからでも諦めない追いかけ

ウガルテさんのタックルで特に印象的なのは、一度は抜かれそうになってからの追いかけとリカバリーの能力です。

多くのDFやMFは相手に抜かれた時点でマークを諦め、次のポジションに戻りますが、ウガルテさんは違います。抜かれた後も全力で追いかけ、相手がシュートを打つ直前にスライディングで追いつく「土壇場での奪取」が特徴的です。

この粘り強さはウガルテさんの守備の「付加価値」です。一般的なCDMには期待できないこの能力が、守備範囲の広さをさらに拡大しています。

スポルティングCPで証明したCL最多記録

ウガルテさんの名前が欧州中に知れ渡ったのは、スポルティングCP時代のチャンピオンズリーグでの活躍がきっかけです。

スポルティングCPがUEFAチャンピオンズリーグに出場した際、ウガルテさんはグループステージにおけるタックル数・インターセプト数で欧州全体1位を記録しました。

スパーズ(トッテナム・ホットスパー)との対戦でも大きな役割を果たし、守備的MFとして世界最高峰の舞台でも通用することを証明。このパフォーマンスがPSGへの約6,000万ユーロ(約90億円)という大型移籍につながりました。

インターセプトとプレッシングが生む守備網

ウガルテさんの守備力はタックルだけではありません。インターセプトとプレッシングの組み合わせで、中盤に強固な守備網を築く能力も持っています。

相手のパスコースを先読みするインターセプト

インターセプト(パスカット)は、相手の意図を読んで事前にポジションを取る技術です。ウガルテさんのインターセプト能力の高さは、単なる反応速度だけでなく、試合の流れを読む戦術的理解力から来ています

相手チームのパターンを素早く把握し、次のパスが通るであろうコースに先回りして待ち伏せする。このプレーはタックルとは異なり、身体的な接触なしに相手の攻撃を遮断できるため、カードリスクなく守備貢献ができる点で評価されています。

ポルトガルリーグ時代のインターセプト数はリーグトップクラスで、インターセプトからの速攻で攻撃の起点になる場面も多く、守備だけでなく攻撃への貢献も生み出していました。

高プレッシングで試合のリズムを掌握

ウガルテさんはプレッシング局面でも大きな力を発揮します。

相手の中盤に素早く寄せ、ボールを奪い取る能力は、強度の高い試合展開でこそ真価を発揮します。単独でプレッシャーをかけるだけでなく、チーム全体のプレッシングを先導することで、相手チームにプレッシャーをかける仕組みを作り出しています。

この能力が最も際立ったのが、スポルティングCP時代のリバプールとの試合です。欧州最高レベルのMF陣を持つリバプールに対して、ウガルテさんは相手の中盤を圧倒し、チームの誰よりも多くボールに関与して試合全体を支配する原動力となりました。

ボール奪取後の素早い攻撃転換

ウガルテさんのプレーで見落とされがちな魅力が、ボール奪取後の切り替えの速さです。

ボールを奪った瞬間に素早くパスを出し、守備から攻撃へとリズムを切り替える能力は、現代サッカーの守備的MFに求められる重要なスキルです。

かつては奪取後の判断力の遅さが課題として指摘されていましたが、スポルティングCP時代から継続的な改善が見られ、シンプルで正確なパスでチームを前進させる能力が向上しています。ビッグゲームでも味方から安心してボールを預けられる選手へと成長しているのです。

驚異のスタミナとフィジカル能力

ウガルテさんのプレースタイルを支えているのが、90分間衰えない体力と高いフィジカル能力です。

90分間衰えない運動量の秘密

CDMとして中盤全域を駆け回るウガルテさんの走行距離は、毎試合トップクラスの数値を記録しています。

前半と後半で運動量がほぼ変わらない持続性が、ウガルテさんの最大の武器の一つです。多くの選手が後半になると運動量を落とす中、ウガルテさんは試合終盤でも積極的なプレッシングとタックルを維持できます。

この異次元のスタミナの背景には、ウルグアイでの育成環境と、若い頃から積み重ねてきたフィジカルトレーニングがあります。CAフェニックス時代から「走ることを惜しまない」スタイルが体に染み込んでいるのです。

フィジカルコンタクトで負けない体の強さ

182cmという身長は欧州のCDMとしては特別大きいわけではありませんが、低重心を活かした体の使い方で相手のフィジカルコンタクトに対応する能力が高く評価されています。

特にデュエル(競り合い)の場面では、体を相手にぶつけながら自分のポジションをキープする力が強く、相手が力で押し退けようとしても簡単には弾き飛ばされません。

ウルグアイ代表の先輩であるエジンソン・カバニさんは、ウガルテさんがマンチェスター・ユナイテッドに移籍する際に助言をしたといいます。カバニさん自身もプレミアリーグで経験を積んだため、その知識がウガルテさんの準備に役立ったでしょう。

ウルグアイ人らしい闘志と献身性

ウガルテさんのプレースタイルには、ウルグアイ人特有の闘志と献身性が色濃く反映されています。

南米サッカー、特にウルグアイのサッカーは「ガッラ・チャルーア(ウルグアイ人の戦闘精神)」と呼ばれる強さと粘り強さを重視する文化があります。ウガルテさんはその精神を体現している選手の一人です。

ピッチ上では激しいタックルやデュエルを繰り返す一方、ピッチ外では落ち着いた冷静な振る舞いを見せるという「冷静さと熱さの共存」が彼の魅力です。チームを鼓舞し、試合の強度を引き上げる存在としての役割は、数字だけでは計り知れない価値があります。

マヌエル・ウガルテのプレースタイルが磨かれた経緯

  • スポルティングCPでのプレースタイル開花
  • PSGでのシーズンとプレースタイルの変化
  • マンUでのプレースタイルと現状評価
  • プレースタイルの弱点と改善点
  • カゼミーロとベンタンクールとの比較

スポルティングCPでのプレースタイル開花

 

この投稿をInstagramで見る

 

Manuel Ugarte(@ugartemanu)がシェアした投稿

ウガルテさんのプレースタイルが世界に認知されたのは、スポルティングCPでの活躍がきっかけです。

ジョアン・パリーニャ後継者としての期待

スポルティングCPがウガルテさんを獲得したのは2021年の夏。当時のチームは、守備的MFの要だったジョアン・パリーニャさんが移籍した後を埋める選手を探していました。

パリーニャさんはスポルティングCPを支えた守備の柱で、その後継者に求められるのは「守備的貢献度の高さ」と「プレッシング能力」です。ウガルテさんはその期待に応えるどころか、パリーニャさん以上のインパクトをリーグにもたらしたと評価されました。

スポルティングCP加入初年度の2021-22シーズンには、チームのリーガ・ポルトガル優勝に貢献。守備的MFとして中盤に安定感をもたらし、チームの戦術的な基盤となりました。

UCLで記録した最多タックル・インターセプトの快挙

2022-23シーズンのUEFAチャンピオンズリーグで、ウガルテさんは歴史的な記録を打ち立てました。

グループステージにおけるタックル数とインターセプト数でともに欧州全体1位を記録し、世界中のサッカーファンと関係者の注目を集めました。これはレアル・マドリード、バルセロナ、マンチェスター・シティといったビッグクラブのMFを含む全選手の中でのトップ記録です。

特に印象的だったのはトッテナム・ホットスパーとの試合です。デビッド・クラッシュが率いるスパーズの中盤を封殺し、スポルティングCPの勝利に大きく貢献。この試合でのパフォーマンスが、PSGの目に留まるきっかけになりました。

ポルトガルリーグでのプレースタイルの完成度

ウガルテさんがスポルティングCPで発揮したプレースタイルの完成度は、数字が証明しています。

2022-23シーズンのポルトガルリーグでは、タックル試投数・成功率ともにリーグ1位を記録。インターセプト数とボールカット数もリーグトップクラスで、守備的MFとして必要な指標をほぼ全て制覇しました。

またこのシーズンには個人賞として「プリメイラ・リガ今年のチーム」にも選出され、ポルトガル全土で最も印象的な活躍を見せたMFの一人として認められました。これらの実績がPSGへの約6,000万ユーロ(約90億円)という評価につながったのです。

PSGでのシーズンとプレースタイルの変化

2023年夏、ウガルテさんはパリ・サンジェルマン(PSG)へ移籍しました。

PSGへの大型移籍と高い期待値

PSGがウガルテさんに支払った移籍金は約6,000万ユーロ(約90億円)で、守備的MFとしては破格の評価です。

PSGは当時、中盤の守備力強化が急務でした。ムバッペ、ネイマール、メッシといった攻撃陣を擁しながらも、守備の不安定さがCLでの敗退につながっていたためです。その解決策としてウガルテさんに白羽の矢が立ちました。

加入当初は「横パスばかりで前に運べない」という批判もありましたが、試合を重ねるごとに落ち着きを見せ、シンプルで正確なパスをつなげる存在へと変貌していきます。

リーグ・アン優勝への貢献と守備力の発揮

2023-24シーズン、PSGはリーグ・アンで優勝を果たします。ウガルテさんはその中盤の守備を担い、チームの盾として活躍しました。

リーグ・アン・クープ・ド・フランスのダブル制覇に貢献し、クラブタイトルを複数手にしました。特にリーグ戦での守備的貢献度は高く評価され、PSGのファンやチームメイトから信頼を獲得しました。

しかし、このシーズンは課題も浮き彫りになりました。ルイス・エンリケ監督の戦術では中盤の各選手が独自の判断でプレーを展開することが求められましたが、ウガルテさんの視野の狭さや判断力の遅さがプレッシャーのかかる局面で露呈することがあったのです。

PSGでの1シーズンで見えた成長と限界

PSGでの1シーズンは、ウガルテさんにとって成長と限界の両方を実感する経験でした。

チャンピオンズリーグのビッグゲームでは、高強度な試合中にリズムをつかむのが難しい場面も見られました。相手チームのプレッシングを受けると選択肢を失い、危険な形でボールを失う場面もありました。

一方で大一番の試合では、チームの誰よりも多くボールに関与し、攻守に渡って存在感を示す試合もあります。この「波のあるパフォーマンス」が、PSGが翌シーズンに向けてウガルテさんを保有し続けるかどうかの判断材料になりました。

マンUでのプレースタイルと現状評価

2024年夏、ウガルテさんはマンチェスター・ユナイテッドに移籍しました。移籍金は約5,100万ポンド(プラスボーナス)と報じられています。

5100万ポンドの期待とプレミアリーグの洗礼

マンチェスター・ユナイテッドの元選手ポール・スコールズさんは、ウガルテさんの加入について「中盤のあり方を変えるはずだった」と語っています。

しかしプレミアリーグでは、ウガルテさんは苦しんでいます。プレミアリーグの圧倒的な試合強度と、球際の速さがスポルティングCP時代とは段違いで、適応に時間がかかっているのが現状です。

週給12万ポンドという高額の契約を結びながらも、レギュラーを掴めていない時期が続き、批判を受けることも多くなっています。ファンの間では賛否両論が分かれており、「失敗の補強」という声も上がるほどです。

アモリム監督の3-4-3システムでの立ち位置

2024年秋にマンチェスター・ユナイテッドの監督に就任したルーベン・アモリムさんは、3-4-3のシステムを採用しています。

このシステムでは、中盤2枚がダブルピボットを形成します。一方はアンカー的な役割を果たす深い位置の選手、もう一方はプレーメイカー的な役割のブルーノ・フェルナンデスさんが務めています。

ウガルテさんとカゼミーロさんは同じアンカー役を競っている構図で、どちらか一方しかスタメンに入れません。現状ではカゼミーロさんがこの役割をより安定して果たしているため、ウガルテさんはベンチスタートになることが多い状況です。

カゼミーロとのポジション争いと構造的な問題

ウガルテさんがマンUで苦戦している理由は、個人の問題だけでなく構造的な問題も大きいです。

アモリムのシステムでのアンカー役に求められるのは「ゾーンを守る」静的なプレー。しかしウガルテさんは「ボールを追いかけて奪いに行く」動的なハンタータイプです。本来の強みが発揮できないポジションを強いられているのです。

ある戦術分析によれば、「ウガルテは#8(ボックス・トゥ・ボックス型)であり、#6(アンカー型)ではない」との見解もあります。つまり、正しいシステムさえ組めば、ウガルテさんの本領が発揮される可能性は十分にある、ということです。

プレースタイルの弱点と改善点

ウガルテさんのプレースタイルには明確な弱点があります。それを正直に分析することが、彼の現状理解につながります。

ビルドアップ参加の限界とパス精度

守備に特化したプレースタイルゆえに、ビルドアップ(後方からのボール配給)への貢献度は著しく低いです。

プレッシャーを解除する能力が低く、ボールを奪われてターンオーバー(攻守の転換)につながるケースが多いという課題が繰り返し指摘されています。これはポゼッションを重視するチームにとっては大きな問題です。

特に後方からビルドアップを構築するチーム(PSGやマンUのような上位クラブ)では、CDMにもパス能力が求められます。ウガルテさんのパスは「シンプルで安全」ではありますが、相手の守備を崩す縦パスや、サイドを変えるロングフィードには課題が残ります。

プレッシャー下での判断力と視野の狭さ

ウガルテさんの弱点として最も指摘されるのが、プレッシャー下での判断力の遅さと視野の狭さです。

相手のプレッシングを受けると選択肢を失い、危険な位置でボールを失ってしまう場面が見られます。ナムウィキなどの分析では「サッカー・インテリジェンス」の欠如と表現されており、これはボールを受けた際のパスコースの視野の狭さとして現れています。

この問題は「技術的な不足」というより「判断力・認知能力」の問題であり、改善には時間がかかります。しかし、スポルティングCPからPSG、マンUと経験を積む中で着実に成長が見られており、完全に克服することは不可能ではないと見られています。

将来的な可能性|総合型MFへの成長

ウガルテさんはまだ25歳と若い選手です。現在の弱点を克服すれば、守備特化型から「中盤を制御できる総合型MF」へと進化する可能性を秘めています。

参考として、カゼミーロさんも若い頃は守備に特化した選手でしたが、レアル・マドリードでの経験を経て攻守両面で貢献できる選手へと成長しました。ウガルテさんも同様の成長曲線を描く可能性は十分にあります。

アモリムのシステムとの相性が改善されるか、あるいはより適したシステムを持つクラブへの移籍があれば、ウガルテさんの本来の能力が再評価される日が来るかもしれません。

カゼミーロとベンタンクールとの比較

ウガルテさんを語る上で避けて通れないのが、同じウルグアイ代表のロドリゴ・ベンタンクールさん、そしてライバルのカゼミーロさんとの比較です。

ロドリゴ・ベンタンクールとの共通点と相違点

ロドリゴ・ベンタンクールさんはウルグアイ代表の中盤を支える先輩で、ウガルテさんと比較されることが多い選手です。

ベンタンクールさんはボール扱いの柔らかさとパスセンスに優れ、試合のリズムを作り出すタイプです。それに対してウガルテさんは、より球際の強さと守備的な闘争心に重きを置くタイプです。

簡単に言うと、ベンタンクールさんが「頭(戦術・技術)で勝つ選手」だとすれば、ウガルテさんは「体(フィジカル・デュエル)で勝つ選手」という対比ができます。同じウルグアイ代表でもプレースタイルは対照的で、二人が揃ってピッチに立つ際の補完関係が興味深いです。

カゼミーロとの守備スタイルの類似性

ウガルテさんがカゼミーロさんと比較されるのは、両者の守備スタイルが非常に似ているからです。

カゼミーロさんはブラジル代表として活躍した世界最高峰の守備的MFの一人で、その圧倒的な守備力と闘志はウガルテさんのプレースタイルと重なる部分が多いとされています。

ただし、カゼミーロさんはキャリアを通じて攻撃面での貢献も高めており、チームをビルドアップする能力も持っています。現在のウガルテさんはカゼミーロさんの「守備力特化の若い頃」に似ており、今後の成長次第ではカゼミーロさんのような総合型CDMになれる可能性があります。

次世代トップCDMへの成長可能性

分析まとめとして、ウガルテさんのプレースタイルを「現在」と「将来」の観点から整理します。

現在の強み:スライディングタックル精度・デュエル勝利数・インターセプト能力・スタミナ・闘争心

現在の課題:ビルドアップへの貢献・プレッシャー下での判断力・視野の広さ・ゾーンプレーへの適応

チームとシステムが正しく噛み合えば、ウガルテさんは世界最高水準の守備的MFになれる素材を持っています。マンチェスター・ユナイテッドでの苦境は、プレースタイルとシステムの「ミスマッチ」が原因である部分が大きく、本人の実力の限界ではないと見るアナリストも多いです。

マヌエル・ウガルテのプレースタイルの総まとめポイント

  • 2001年4月11日生まれ、ウルグアイ・モンテビデオ出身のCDM
  • 身長182cm・体重77kgのフィジカルに優れた守備的MF
  • 現所属はマンチェスター・ユナイテッド(背番号25)
  • 15歳でCAフェニックスにプロデビューし18歳でキャプテン
  • ファマリカン(ポルトガル)への移籍金は300万ユーロ
  • スポルティングCPでジョアン・パリーニャの後継者として活躍
  • UCLグループステージでタックル・インターセプト数欧州全体1位を記録
  • ポルトガルリーグでタックル試投数・成功率ともにリーグ1位獲得
  • PSGでリーグ・アン・クープ・ド・フランスのダブル優勝を達成
  • 「デュエルの怪物」の異名通りスライディングタックルと球際の強さが武器
  • 欧州5大リーグでパス成功率85%以上+90分あたり4タックル以上を両立する唯一のMF
  • プレースタイルの弱点はビルドアップへの貢献度と視野の狭さ
  • アモリムの3-4-3システムとの相性問題でマンUではベンチが多い
  • カゼミーロと同じアンカー役を争う構造的なポジション競争が苦境の原因
  • ウルグアイ代表として36試合1ゴール・W杯2022にも出場

▶️他の有名人の特徴・豆知識・その他トリビアを知りたい|カテゴリー・記事一覧